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狐の嫁入り (『俺は用心棒』 〜日照り雨〜)
しか

録画しておいた時代劇、また見てしまいました。(2度目)
タイトルは「日照り雨」。(「俺は用心棒」の何話目だったかしらん)
奈良が舞台なのですけど、台詞のないラスト数分はまるで珠玉の短編のよう・・
長いこと切なくやるせない余韻が後を引く物語でした(涙)
50分弱でこんな映画みたいな話になるんですねぇ・・

この物語、導入部からとっても好きで。
急な日照り雨に遭い「かなんなぁ」と、どこかの民家の軒下に飛び込んだ髪結いの女性。
そこで偶然先に雨宿りしていた若い侍と、なんとなく空を見ながら 日照り雨=狐の嫁入り 
についての子供の頃の懐かしい話をするんですね。
女性は生まれたときから奈良、侍は江戸生まれだけれど、
大昔、本当に狐が嫁入りしていると思って雨の中狐を探しまわった思い出は一緒だとわかり、
江戸も上方も同じなのか・・とお互いニコニコと和やかな気分になったりして。
私も7歳くらいまで、本当に狐がお嫁に行くんだと思ってドキドキしてましたっけ。
帰り道、今自分ひとりなのに嫁入り行列に出くわしたらどうしよう!?と思って^^;
日照り雨でなく、お天気雨と呼んでいたけれど。

この髪結いの女性・おえんさんは気立てのよい素敵な人。
周囲から縁談を勧められたりしてるのですけど、
可愛い弟が長崎の高名な先生のもとへ勉強に行ってるので、学費や何やかやを捻出するために自分の幸せのことより何より、とにかく亡くなった両親の代わりに仕送りしながら弟が医者になるのを一番の楽しみにしてるんですねー。

ところが時代が幕末なものですから、若者は最先端のいろんな思想にかぶれちゃって。
突然見知らぬ先輩方とやらを伴って侍姿で奈良へ帰ってきたと思ったら、
「医学なんていつでもできる。今たいせつなのは国事のために働くことだ」とか言い出す始末。
大事な勉学をおっ放り出して、”同志”だの、”有効”だの、”回天の事業”だの、夢見る顔で変な言葉を並べ立てる人が変わったような弟に、目を白黒させてガッカリしたり怒ったりするおえんさん。
でも、「すべては国事のためだ」というお題目を掲げて、あーしろこーしろと姉に甘えて勝手なことばかり頼んでくるのを聞くうちに、弟は実は先輩とやらにいいように使われているだけじゃないのかしら・・と心配になってくる・・
弟思いの優しく芯のしっかりした姉と、純粋に未来のために国事に奔走する志士の仲間になれる嬉しさ、彼らの役に立てる喜びでいっぱいになっているまだ危なっかしい幼い弟。

内心では、所詮は身分の低い髪結いと便利な青臭い若者と思って、利用するだけ利用してやろうとしている男達=逃走中の倒幕の志士(+その高慢な婚約者・・女優さんうまい!)から、なんとか姉弟を守ってやろうと動いてくれるのが主人公たち(志士に雇われた浪人、おえんさんと二度再会することになる侍の青年=実は新選組の隊士で弟の連れてきた男達を追っている、浪人と侍の知り合いでたまたま奈良に神社仏閣巡りしにきていた男=実は今年の包容力大賞、の3人。)なのですけど・・・。

はなよめさん

今度は京都で再会するおえんさんと侍の青年、そして弟のシーンが秀逸で・・
如何様にも取れる互いの思いの一瞬の交錯がたまらなく素晴らしかったです(涙)

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このお話ロケも良くて、例えば、おえんさんが「古梅園」(製墨業って奈良の伝統文化のひとつだったのですね。お恥ずかしや、全然知らず勉強になりました)のおかみさんの髪を結ったりするのですけど、髷を作っていく髪結いのシーンを見るのって初めてだったので興味津々で見入ってしまいました。ああやって作っていくんですねえ。
同時に古梅園の工場内の運搬用のレールや、墨を足で練り上げる熟練の職人さんたちの技(すごい!)、型抜きの様子なども見ることができるので、すごく面白い。
もちろん、奈良公園、興福寺、猿沢の池や東大寺などものっけから映るので、中学の修学旅行以来だわ〜♪と懐かしくなったりして。

この時代劇は、昭和42年作のモノクロ作品なのですけど、
男前だー、これが男っちゅーもんだー、と感心する男性が4人も出てました。
(野良犬…栗塚旭、沖田…島田順司、品田…左右田一平、新太…中野誠也の各氏。男は顔じゃないわ、顔つきよ!と確信。皆様ものすごくかっこいい。)

何がどう男前なのかというと、相手が気づかぬうち(知らぬままの時もある)にさっと手を貸して、不運にも何事かに巻き込まれてしまった人間の、誠実な心根をできる限りなんとか守ってやろうと動くところ。
ただし、勧善懲悪ものではなく人間の本質を突いた現代的で苦い話が多いという印象。
いつもうまくいくとは限らず、せっかくの心遣いがすべて無駄になってしまったり、力の及ばぬやるせなさに虚無感でいっぱいになったり・・。
チラっと深い寂寥を浮かべたあとは、黙ってまた自分の道をいくしかない・・みたいな感じでしょうか。

人間としてそれを許せるか許せないか、価値を何に置くかという自分だけの行動倫理は絶対に変えないけれど、物事の考え方はひじょうに柔軟なんですねー。
それぞれ立場も違うので、価値観だけは共通しているけれど決して群れないのと、物事に必要以上に立ち入り過ぎないのがよいです。
事の次第は聞くけれど、弁明やいい訳などの自慰的になりがちな心情の吐露などは自分には関係ないから言わなくてよろしい、という他人との間合いの取り具合がすごくソフィスティケートされてるんですもん。大人。決して非人情なわけではなく。

主義主張よりも、一番大切なのは人間性なのでは?という時代劇。
見ることができたお話、全てが好きというわけではなかったけれど。(辛いのもある)
おえんさんの関西弁(京都弁なのだろーか)が耳に心地よかった・・・。
(そして、この記事長い)
昭和時間 | comments(0) | trackbacks(0)
ぜひ嫁に・・
ここ数日TVの調子が悪く(すぐ切れてしまう)映画が見られなくてがっくり(ToT)
せっかくガンブラン作品を借りてきたのに〜〜。
時々録っては見ている、昔(昭和40年作品)のモノクロTV時代劇も見られず残念。
これとっても面白くて。
TV時代劇を見るなんて謙さんの「御家人斬九郎」以来かも。

舞台は幕末なんですけど、幕末というと、日本史の授業中
「不平等条約締結の結果、欧米に日本の金(きん)が怒涛の如く流出した」(曲解)と知り、
なんかむしょーに悔しくて地団駄踏んだという覚えしかないのですが。(私、ケチなのかしら?)

のう








ケチな私の脳内 (なんとなく悪代官脳)


お国のために喧々囂々、暗殺暗殺、絶叫絶叫・・みたいな話なのかと思ったら違っていまして、毎回ほろ苦く切な〜い余韻の残る、どちらかと言うといつの間にか歴史に翻弄されていた普通の人々の心情を細やかに汲み取った、静かで風情ある人間ドラマだったのでびっくり。こういう上司おるよなあ、部下が苦労するのよ、とか、若い時ってそうだよねぇ、とか、現在と照らし合わせてもちっともおかしくなかったりするし。

自分が男ならこんな上司と一緒に人生燃焼させたい!と思うだろうけど、女としては、自分の夫や息子や恋人に上司と勝手に男の美学貫いて心中されても困る。だからこういう男の世界は微妙なの・・・という気持ちもちゃーんとわかってくれてるみたい。
脚本家の方は特攻隊の生き残りという経歴の持ち主だったそうですが、時代も当時まだ戦後20年だし、台詞や展開の端々にそのあたりの想いが重ねられているような気がしました。命を大切に捉えているし。
P.ハギスも吃驚の群像劇、ヒロイズム、ナルシシズムに走らぬ脚本の妙。(これってすごく難しいと思います)そして、ほどよい感傷。(たまに、ええぃ悠長な!とやきもき>笑)
去年話題になった硫黄島二部作にも劣らぬ立派な作品だわよ、とさえ思うのでした。
女優さんの所作が綺麗だし、とっても可愛い。それぞれに誇り高いのもいいです。
男がいい訳なし、涙なし、そこはかとない優しさと筋の通った厳しさがあるのもとっても新鮮。
無駄な台詞のない、大人の機微の世界です〜。

先日見たお話では、察しがよく機転がきき、イヤな仕事(軽蔑すべきバカ男の護衛)をきっちりこなしつつ最終判断は自分が下し、その結果責任も自分が負うというのをごくあったり前のようにこなす、仕事のできる大石君という男が出てきて、まるでマックィーンのようにかっこいいではないの!と惚れぼれ。
いい人すぎず(重要)嫌味のひとつやふたつガツンとかましてやれるし、奢らず冷静、節度あるこの男、ぜひ娘を嫁入りさせたい!と思いましたわ(笑)

早くTV直らないかなー。
昭和時間 | comments(8) | -